第276章

白井小鳥に遮られて、野呂栞は首を伸ばしても、外に誰が立っているのか見えなかった。

「自分で見れば」

白井小鳥が身をずらす。次の瞬間、野呂栞の視界に玄関口の川崎正弘が飛び込んできた。

びくっと手が震え、爪切りの刃がずれて――丸みのある足の指先に、ぷつりと血の粒が浮かぶ。

「っ……クソ、くそ野郎! なんであんたが来た途端、あたしがケガすんのよ!」

野呂栞はティッシュを引きちぎって足指に巻き、ひとまず止血する。それから白井小鳥を振り返った。

「絆創膏ある?」

「ないよ」白井小鳥は肩をすくめる。

「引き出しにあった気がするんだよね。探すわ」

野呂栞は片足のままぴょんぴょん跳ね、絆創...

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